野村研究室


私の研究室に興味を持って頂き有難うございます。この研究室にきたら自分はどういう研究生活を送るのだろうか?と思いながらHPを覗いている大学生、もしくは大学院生の方々に向けて私の考え方を書いておきます。

Interactiveな研究室

研究室で大切にしたいのは、違う個性、価値観、経験、知識をもつ人間との相互作用によって、現在の延長線上にない成長ができる環境です。個人が黙々と個々の研究を行うわけではなく、先生や先輩研究者、そして次に入ってくる後輩の学生さんと共に研究生活を楽しみながら研究を進めてもらいたいと思っています。研究室では、他の人と話す時間を多く持つようにして欲しいと思います。ディスカッションでは、全く新しい方向性を産み出すアイデアや、トラブルを解決してくれるきっかけが生まれることがよくあります。そして、食事中やコーヒーブレイク、何気なくする雑談の中に新しい価値観を産み出すような成長材料が転がっていることがよくあります。研究室でのInteractiveな人間関係を大切にして、研究のみならず卒業後の長い人生にも役に立つ人間としての能力を磨いていって欲しいと考えています。自分も研究室の一員であり雰囲気を作っていることを忘れず、いずれは他の人を引っ張っていくようなリーダーシップを発揮できる人材になって欲しいと思います。

研究を進めるにあたって

研究を進めるモチベーションはそれぞれですが、「こんなデバイスができたら世の中もっと便利になるはずだ!」というdemand-drivenタイプのものもあれば、「こんな物理が見れたらエキサイティングだ!しかも世界で一番に!」というcuriosity-drivenタイプのものなどがあります。私の研究室ではdemandにつながってゆくcuriosity drivenな研究を目指しています。研究室の目指す方向性の中で、学生のみなさんが情熱をもって取り組める研究を一緒に考えていきたいと思います。進める過程で新しい方向性を君たちが見出した時、研究室に新しいテーマが生まれるかもしれません。「このテーマを作り出したのは私だ!」というエキサイティングな経験をして欲しいと思います。主体的に動いてたくさんトラブルに遭遇し、解決する過程を楽しみましょう。そして、ひと仕事したぞという充実感と自信を持って卒業していってほしいと思います。

社会の戦力になるために

社会にでるまでは、親、学校、社会に育ててもらっている期間です。いずれは自分たちが社会を回す原動力になり方向性を示す時期がきます。その自覚を持って、この重要な時間を充実したものにし、力をつけて欲しいと思います。研究室では、研究のためだけの教育ではなく、その後の人生に役立つ考え方も身に着けられるよう研究を通じた一つの経験から普遍的な経験則を抽出できるような教育を行うことを心がけています。研究室は、先生の一方的な意思による運営組織ではありません。学生のみなさんの意思が充分反映される組織です。受身になるのではなく自分の意見もしっかり示し、社会に出てからグループをひっぱることのできるような人材になれるよう成長して欲しいと思います。

研究室見学はいつでも受け付けていますので、遠慮なくご連絡下さい。

東京大学生産技術研究所
教授 野村政宏